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電圧上昇抑制について
電圧上昇抑制って何?
『電圧上昇抑制』とはその名前の通り、電圧が上昇しないように抑制するパワーコンディショナの機能です。
詳しく解説していきます。
電気が売れるしくみ
電気は水と同様、高いところから低いところへ流れます。普段、私たちは電力会社から電気を買って自家で消費します。この場合、電柱(電線)の電圧が高く、電圧の低い家庭へ送電されています。逆に、自家発電した電力を電柱(電線)へ流す(逆潮流という)場合は、家庭の電圧を電柱(電線)よりも高くして流します。これが『売電』のしくみです。
電圧抑制が起きる状況
普段見慣れた電柱の中にも、大きな箱のようなものを乗せた電柱があります。これはトランス(変圧器)というもので、高圧線からの6600Vを100Vに変圧するためにあります。
一つのトランス柱から何軒かの需要家が配電されており、通常はトランス柱からの距離が長ければ長いほど電圧降下が起こり電圧は低くなります。電気を買うためには問題ないのですが、逆に電気を売りたい場合、周りに太陽光発電がついている家があるなど、配電線の電圧を高くする状況の場合、配電線の電圧の方が家庭の電圧より高くなってしまうと逆潮流できなくなる場合があります。これが「電圧抑制」です。
電圧抑制は一時的な事が多く、あまり気にされることはないと思います。なぜなら、以前はトランス柱に103V程の電圧を送っていたのを現在は100Vに下げているからです。(中部電力配電課談)ですから、以前よりも電圧抑制の問題は少なくなっているとの事です。
電圧抑制の起こりやすい家
- トランス柱からの距離が長い、または配電系統の末端である、という家庭は電圧抑制のリスクがあるでしょう。それは自分よりトランス柱に近い家庭で太陽光発電で逆潮流させていると配電線の電圧が高くなるからです。
- 引込線の長さ(電柱から家庭への電線の距離)や、引込点からパワーコンディショナの距離が長い場合も電圧降下が起こり、家庭の電圧が低くなってしまい逆潮流しづらい時があります。その場合、引込線や内線を太くする対策もあります(自己負担工事)
- 近所に大きな工場がある場合、工場の稼働時には沢山の電力が工場で消費され、配電線の電圧は低くなります。そうすると、家庭から逆潮流しやすくなりますが、工場がお休みの場合は電力の消費が少なくなるので配電線の電圧が高くなり、電圧抑制の可能性が高くなります。
電圧抑制の対策
- 電圧抑制が頻繁に起きているという場合、電圧抑制は一時的なものが多いので様子を見て頂き、それでも多い場合は電力会社へご相談下さい。電流と電圧の測定(測定器を取り付けます)を行い、電圧の調整をしてもらいます。
- パワーコンディショナの電圧設定値を上げることも対策の一つです。ご注意いただきたいのが、日本の電気に関わる法律として「電気事業法」という法律があり、この電気事業法の中で「電圧については100V供給の場合は101V~107Vを超えない範囲内とする」と定められています。ですからパワーコンディショナの電圧は107V以上にはできません。また、家庭内で使用する電気機器は100Vに対応しております(120V対応の機器もあります)。100Vの電気機器に110Vを流すと故障の原因になったり、機器の寿命を縮める懸念があります。
- 自家の引込柱にトランス(変圧器)を新設することで電圧抑制を解消できる事もあります。ただし、最寄りの引込柱に高圧線が施設されていない場合、自家の引込柱までの距離の高圧線の配線とトランス、また電柱が低ければ建て替え、等の費用が自己負担となります。(金がうkは工事規模により変動するため不明)
- 引込線や内線を太い線に張り替える(自己負担工事)これは太い線に張り替えることにより電圧降下を少なくするという対策です。
太陽光発電は早い者勝ち!?
よく「太陽光発電を設置するなら今!」などというキャッチコピーを目にしますが、補助金や買取単価のメリットだけではありません。まわりの家よりも遅れて設置する事により、中部電力側の設備に対しての自己負担が発生する可能性があります。これもトランスの容量の関係で、1番に設置した家庭ではトランスの容量が足りていたが、周りの家の中で一番最後に設置した家庭ではトランスの容量が不足してしまい容量を増やすための工事費を負担しなくてはならなくなるのです。(可能性がある)そういった意味では太陽光発電を設置するのは早い者勝ちということになるのです。(工事費用は事前に把握できません)(10kW以上の発電設備では、住宅の屋根に設置しようが『事業用』ですので、中電工事負担金が少なからずともかかります)